こんにちは、プロ家庭教師・塾講師のBP(山形東高卒・東京大学卒)です。
大学受験生にとって欠かせない、志望校の過去問対策。
皆さん、過去問はいつ解き始めますか?
志望校攻略に必要不可欠な赤本による過去問対策を、どの段階でいつ始めれば良いかについては諸説ありますよね。
今回は「赤本による過去問対策をいつ始めるべきか?」について、私の考えをお話します。
(本記事では、赤本を含む大学別過去問集を総称して「赤本」と呼びます。)
志望校攻略に最重要!赤本による過去問対策をいつ始めるのが良いか?
- 志望校攻略に最重要!赤本による過去問対策をいつ始めるのが良いか?
※赤本についての説明とその入手経路については下記の記事にまとめておりますので、ご一読いただければ幸いです。
私BPは「過去問ファースト」派です!
まず、私は過去問を受験勉強の一番最初にやってみることを推奨しています。
これを、「過去問ファースト」主義と呼ぶことにしましょう。
赤本は志望校対策の第一歩
いまさら私が言うまでもなく、赤本での過去問演習は志望校対策の基本中の基本です。
過去問を分析・研究することで、志望校の入試がどんな試験形式で、どんな分野をどのように問うてくるのかが把握でき、対策を講じることができるようになります。
野球で考えてみると、ピッチャーがどんな球種を投げて来るか全く分からなければ打つのは困難です。
一方、直球しか投げないと事前に知っていれば多少球速が早かろうが打ち返せる確率は上がるはずですよね。
もちろん、十分な直球対策を行うことができれば、打てる確率はさらに上がることになります。
志望校が決まったら赤本を買おう!
「志望校が決まり、受験勉強を始めるぞ!」という段階、つまり本格的な受験勉強の開始時に、まず赤本を買うことをオススメします。
そして、すぐに一年分の過去問を解いてみましょう!それが高1であっても高2であっても、早過ぎるということはありません!
ここで、過去問を解く前の事前準備は一切不要です。多少の事前準備をしたところで、たかが知れています。付け焼き刃の準備で得点が上がるのであれば苦労しませんよね?
それでは、受験勉強開始時にいきなり過去問を解く目的はいったいどんなことなのでしょうか?
最初に過去問を解く目的1:試験の難易度を肌で感じる!
過去問を解いてみてそれが想像を超えて難しく感じた場合「これは大変だ!こんな問題を◯年後に解けるようになるだろうか?」と危機感を抱くことでしょう。この危機感は受験勉強を維持するモチベーションとしてとても大きいものです。
人によっては「意外と簡単じゃん!」と感じるかも知れません。それでも、その「解けた!これなら戦える!」という感覚は自信となり、必ず受験勉強にプラスに働くことになります。
どちらに転んでも、最初に過去問を解く心理的効果は非常に高いことがお分かりいただけますよね。
こんなに効果が高いことを受験勉強の最初に行わないのは損です!
最初に過去問を解く目的2:脳に「最終到達点」のイメージを焼き付ける
もう一つの目的は(こちらの方が大きいのですが)、「脳に現実と目標とのギャップを実感させる」ということです。
数学の問題を夢の中で解いたり、ビジネス上の課題が眠っているうちに解決してしまった、という経験をお持ちの方も多いと思います。
脳はとても不思議なもので、解けない問題が刷り込まれると、無意識下で(睡眠中も)その問題の答えを探してくれるのです。
同様に、ゴールと現在地のギャップを強く認識したら、脳はギャップを埋めようと活動し続けてくれるんです。
こんな素晴らしい機能を活かさないのはもったいないですよね?
BP所有の書籍にも「過去問ファースト」論が多数!
BPは勉強法に関する書籍だけで数十冊所有しています。
その中に「過去問ファースト」の効果に関する記載が多数ありましたので、いくつか紹介します。
(ちなみに「過去問を最初に解いてはいけない」「過去問は直前にやろう!」というスタンスの本は一冊もありませんでした。)
和田秀樹 著『赤本の使い方』『新受験勉強入門 合格ガイダンス』より
「受験の神様」和田秀樹氏は、『赤本の使い方』で「今すぐ志望校の赤本を買ってこよう!」「受験勉強は赤本に始まり赤本に終わる」と、赤本による志望校対策の重要性について述べています。
また、『新受験勉強入門 合格ガイダンス』では「まずはいきなり過去問から!」と、最初に過去問を使って出題方法・形式・問題傾向・問題数・制限時間等を把握することの必要性を述べ、過去問は最後の仕上げに解くものではないことも強調しています。
余談ですが、私は高校時代に「数学は暗記だ」や「受験は要領」に出会い、その影響を大きく受けつつ勉強法をアレンジをして東大受験に臨みました。
和田秀樹氏の方法論には賛否ありますが、田舎の高校生に「勉強法により効果は大きく変わる」と実感させてくれたことに感謝しています。
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篠田恵里香 著『ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた 夢がかなう勉強法』より
篠田恵里香氏は、過去問はまずはじめに解くべき、敵を知り自分のレベルを知ることがとても重要と述べています。
過去問を最初に解くことは、大学受験に限らず司法試験でも重要なのですね!
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鶴田秀樹 著『公務員試験 独学で合格する人の勉強法』より
鶴田秀樹氏は、合格者の多くはいきなり過去問集から入ると述べています。
「過去問から勉強を始める」ことは公務員試験にも有効なのですね!
本田直之 著『レバレッジ勉強法』より
本田直之氏は、「勉強する前にまず過去問を解け」と、勉強を始める日に過去問を解くことを推奨しています。
原田広幸・瀬戸雅美 著『30歳・文系・偏差値30でも医学部に受かる勉強法』より
この本では「過去問は勉強を始めたら真っ先に見る」と、早期に過去問を確認することを強調しています。
後藤武士 著『改訂版 公立校なら、上位10%を目指しなさい!』より
後藤武士氏は、過去問は「できるだけ早い時期に見ておいたほうがいい」、最悪なのが「受験直前までとっておくパターン」と述べています。受験勉強の成否は過去問分析にかかっていることも主張しています。
山本憲明 著『試験に「合格する人」と「落ちる人」の習慣』より
山本憲明氏は、「合格する人は過去問からやり、落ちる人はテキストを読む」と、最初に過去問で全体像を把握してからテキストで細部を勉強する必要性を説いています。
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杉山奈津子 著『偏差値29からの東大合格』より
杉山奈津子氏は、「まずは、いきなり『過去問』から!」と、過去問を最初にやることが受験勉強で時間短縮の最大の鍵であることを述べています。
「過去問ファースト」が最強!
以上述べてきたように、現代の受験勉強においては「過去問ファースト」がベストなアプローチであると私は確信しています。
受験生の皆さん、「過去問は直前に腕試しに使うべき」というような古い常識に囚われていてはいけません。
最強なのは「過去問ファースト」です!過去問に最初に取り組むことで受験勉強を効率的に進め、栄冠を勝ち取りましょう!